質実剛"建"。
成建という会社の社風は、この4文字に集約される。

横浜市北部・川崎市北部に根を下ろし、年間300棟以上の住宅施工を手掛ける株式会社成建。 地元ではその名を知らぬ者のいない建築会社だ。

まじめで実直、気の利いたおしゃべりは得意ではないが、住まいの品質に対する誇りと自信は揺るがない。 成建とはそんな社員の集団だ、そう語る成建分業事業部部長の阿部氏と、長年にわたり成建と買主の橋渡しを務める明治不動産代表の江良が、住まいにかける情熱を語った。

— 成建の物件を見せてほしい！と明治不動産を訪れるお客さんも多いそうですね。他とは違う成建施工の特徴を、一言で言い表すと何ですか。

阿部 住宅としての「質の良さ」だと思います。
実を言うと、他にないものを作ろうとか、特別なものを作ろう、という思惑は無いんです。 それよりは、見た目の派手さはなくとも、住宅としての機能が優れた「本当に高品質な住まい」をお届けしたいと常に考えています。 特に基礎や構造、地盤には徹底的にこだわっていて、耐震性という面では絶対の自信があります。

江良 私たちも、成建の物件をご案内していると、その「質の良さ」を実感することが多々あります。 例えばお客様が内覧して気に入った物件に、今度はご両親を連れてきます。するとご両親も一目見て「あ、これはいい家だ」と納得してくださることがすごく多い。成建の物件は世代の垣根を越えて伝わる質の良さがあるのでしょうね。

— 見た目より中身、とがった個性よりも住宅としての機能性…まさに成建の社風と同じく、質実剛建な住まいというわけですね。 具体的な仕様についてもお聞かせください。特徴的な設備などはありますか？例えばこのメーカーのものをよく使っているとか。

阿部 設備に関しては色々なメーカーの製品を比較検討して選ぶようにしています。 コストが決まっている中で最大限高品質なものを作るため、常に最新の情報を追い、その時々に出ている製品の中で一番良いと思うものを採用します。
明治不動産の営業さんは勉強熱心で、当社の仕様をよく理解したうえでお客様に紹介してくださるんです。

江良 成建施工の質の高さをお客様に正しく伝えることが、私たち仲介業者の使命ですから。常に成建の最新の仕様をキャッチアップするよう努めています。

阿部 最近のお客様は知識が豊富ですからね。明治さんも大変でしょう。

江良 ええ、本当に(笑)。最近のお客様はよく調べていて、建物や設備の細部にも強いこだわりがあります。成建が新しい技術を追い求めるのについていくのは我々も一苦労です。

— お客さんのリアクションはいかがでしょう。最新の設備を幅広く取り入れていく中で、特に反応がいいものなどありますか。

阿部 特に好反応をいただくことが多いのは、エネファームや太陽光発電といった、環境に配慮した設備ですね。

— 成建の物件を購入する層は、環境問題への感度が高い人が多いということがあるんでしょうか。

江良 それは実感としてあります。成建さんの注力エリアは、宮前区を中心とした丘陵地です。 そうしたエリアで物件を探すお客様は、眺望の良さや、緑の多い環境を重視する方が多い。
そのため自然と、環境保全やエコロジーに関心の高い方が集まりやすいのでは、と私は考えています。

— それは面白いですね。成建さんが大規模現場を手掛けると、環境にやさしい家々が並び、自然を愛する人々が住む、そんな街並みが出来上がるなんてことも。

阿部 そうですね。実はその「街並み」を作るということも、最近は行っているんですよ。

江良 邸宅街「フォレストタウンシリーズ」のことですよね。弊社のお客様からも多くの反響をいただいています。

— えっ、「邸宅」ではなく「邸宅街」を作るんですか。

阿部 はい、その通りです。弊社では2棟現場から60棟現場まで幅広く手掛けていますが、数十棟の大規模現場になるともう家を建てるというより、一つの街を作り上げる感覚なんです。 フォレストタウンシリーズでは、街の景観や機能性を考慮して、道路や公園の位置を含めた区画割りを弊社で行っています。
弊社が注力する丘陵地は眺望がよく人気が高い反面、造成は難しいですが、本当に美しい街並みが出来上がるんですよ。

— それはやりがいがありますね。今後そう言った街づくり事業を、エリアを拡大して展開していく予定はありますか。

阿部 弊社は創業から30年以上の間、地域密着企業としてやってきましたし、今後もそうでありたいと思っています。

— 地域密着にこだわる理由とは、何でしょうか。

阿部 「ご購入いただいたら終わり」ではなく、生涯のパートナーとしてその後のお客様の暮らしをフォローしてゆきたい、それが理由です。
弊社の物件にはすべて10年保証を付けています。お客様からご連絡があった際には、スタッフが30分以内に駆け付けられる体制をとっています。 あまり広く展開してしまうと、これがなかなか難しい。ありがたいことに、購入後にクレームのご連絡をいただくことはほとんどありません。

— 10年保証が過ぎた後にお問い合わせがあった場合は、どうされますか。

阿部 もちろん10年保証が過ぎた後でも、お客様は大事なお客様です。 内外のリフォームや、家族構成が変わっての住み替えなどのご相談にもすぐご対応できるよう、いつでも準備していますよ。
そうした問い合わせの窓口になっていただいているのが、明治さんを始めとした、地域密着の仲介業者の皆様なんです。

江良 他にも、一度契約に至ったお客様が、今度はお知り合いやご親戚を紹介してくださることもあります。 そうして訪れていただいたお客様にも、自信をもって成建の物件をご紹介しております。

— すごい信頼関係ですね。最後になりますが、今後の展望について一言お聞かせください。

阿部 これまでもそうだったように、これからも同じく地域に根付いた仲介業者の皆様と密に連携しながら、家づくり、街づくりを続けていきたいと考えています。

江良 成建の物件の魅力を誰よりも正しく理解し、誰よりも正しく伝える、お客様と売主の架け橋のような存在でいられるよう真心を以て努めてまいります。

— ありがとうございました。

取材・文=佐々木直樹